江戸時代に金沢城の庭園として作られた兼六園は、水戸の偕楽園、岡山の後楽園とともに日本三名園とされる。名称「兼六」の由来は、宋代の洛陽名園記が指摘する、庭園にとって両立しがたい六つの特性、宏大と幽邃、人力と蒼古、水泉と眺望を兼ね備えていることによると言われています。
この兼六園から百間堀を隔てた金沢城跡には、当時の建造物のうち一部である石川門や三十間長屋などが現存していて、この跡地には城の中の大学として金沢大学のキャンパスがあったが、郊外へ移転しました。その後一部の櫓が当時の技術のままに復元され、一般に公開されている状態です。市内中心部の長町には石畳に整備された路地に並ぶ武家屋敷跡に野村家庭園があり、加賀友禅の長町友禅館(旧彩筆庵)と並んで内部を拝観することができます。中には小さい滝があり、立体的な配置のため街中とは思えない奥行きがある風景を楽しめるのです。
市内には、犀川と浅野川の二つの川が流れていて、浅野川沿いの東山周辺、東の茶屋街(旧東の郭)には江戸時代の遊郭に由来する古い町並みが残っています。内部を改装して飲食店などに利用されている家もあり、東山ひがし地区、主計町は重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。背後にある卯辰山からは市街地から遠く日本海までを見渡すことができ、
一方犀川沿いには、にし茶屋街(旧西の郭)があり風情豊かです。犀川からほど近い寺町の妙立寺は、内部に外敵を避けるための隠し通路や階段などの工夫が施されていることから「忍者寺」と呼ばれ人気があるり海外のガイドブックにも紹介されているほどです。
この他、安江町の安江金箔工芸館では金箔の製造工程や箔打ちなどの実演を観ることができます。2004年に開館した金沢21世紀美術館は市街地の中心部に立地し、現代美術をテーマとした展示をおこなっています。金沢市の海に面した地域に大野地区は醤油の産地で、今でも醤油蔵が立ち並んでおり大野地区は港に面しており、蔵の町並みと港町が合わさった独特の風情を楽しむことができます。
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